浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁作り推進室

現代版寺子屋「スクール・ナーランダ」(2017年)

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世界遺産や国宝級のお寺で“今と未来を生きる智慧”を学ぶ、若者のための学びの場。

21世紀に入って15年余り、これからの世界の未来を予測することがとても難しい時代をわたしたちは生きています。人類が積み重ねてきたさまざまな叡智—たとえば 科学や芸術、哲学、宗教、2,500年続く仏教など—が、この激動の世界を生きるための「軸」を形づくるヒントにならないか。「スクール・ナーランダ」は、そのような考えのもと、仏教ほか多様な分野のトップランナーを講師に招き、双方向に対話をし、実際に体験できる新しい学びの場を目指しています。

背景

クライアントである浄土真宗本願寺派の子ども・若者ご縁づくり推進室とともに、どうしたら若者たちへアプローチできるかを議論し、今の時代に合う仏教の伝え方を検討してきました。

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地域コミュニティや家族形態の変化、人口減少、など様々な要因で現代の若い世代と仏教との距離は遠ざかっています。一方で、「宗教に関心がある」若者は約5割というアンケート結果があり、その割合は減っているのではなく2000年代に入って微増しています※。「宗教は心のよりどころになるか」との質問も約6割が肯定しており、仏教に対する興味・関心が決して低いわけではありません。とは言え、お寺でお坊さんの話を聞く、というのは若い人にとっては敷居の高いこと。

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そこで、仏教をはじめ芸術や自然科学など、多様な分野から横断的に人類が積み重ねてきた智慧を学ぶことで、多様な価値観が共存し、未来を予測しづらい複雑な世界の中で、自分の生きる“軸”を形成していく場が作れないかと考えました。


※「学生宗教知識調査1995~2015(國學院大學日本文化研究所)」より。全国30~40の大学在校生を対象に実施。

実施内容

「スクール・ナーランダ」の名前の由来は、仏教の発祥の地であるインドで5世紀ごろに創設され、仏教のほか医学や天文学など様々な学問を教えた世界最古の大学のひとつ「ナーランダ僧院」から。

テーマや講師のラインナップは、若い人たちの悩みに答え、かつ興味や関心を持ちやすいものにしようと、20代の大学生を中心としたサポートスタッフの意見も取り入れて設定しています。

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また、座学だけでなく、見学やワークショップなど各地の特色を生かした体験型のプログラムを盛り込み、双方向でのディスカッションの時間を設けるなど主体的な学びの場となるように工夫しました。

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初開催となった2017年は、浄土真宗本願寺派の本山のある京都と、「真宗王国」としての精神風土が息づく富山で開催。およそ200名の若者が参加してくれたのですが、真剣に講師の先生たちに向き合い、前のめりでお互い意見交換をする様子にこちらが圧倒されるほどでした。

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開催概要

≪スクール・ナーランダ 2017 Vol.1 京都≫

日時
2017年2月4日(土)・5日(日) 10:00~17:30
会場
本願寺及び伝道院 (京都市下京区堀川通花屋町下ル)
定員
60名/日
対象
15歳~29歳
テーマ
わけへだてと共感
講師
天岸淨圓(浄土真宗本願寺派僧侶)、高橋英之(認知科学者)、森本千絵(アートディレクター)、小池秀章(浄土真宗本願寺派僧侶)、環ROY(ラッパー/音楽家)、川瀬 慈(映像人類学者)
主催
浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁作り推進室
協力
西本願寺

≪スクール・ナーランダ 2017 Vol.2 富山≫

日時
2017年3月4日(土)・5日(日) 10:00~17:30
会場
飛鳥山善興寺、他 (富山県高岡市中田4500-1)
定員
50名/日
対象
15歳~29歳
テーマ
「土徳・土地からのいただきもの」が育むものづくり
講師
太田浩史(真宗大谷派僧侶)、観山正見(天文学者)、内藤礼(美術家)、飛鳥寛静(浄土真宗本願寺派僧侶)、能作克治(金属鋳物メーカー)、島谷好徳(鍛金職人)
主催
浄土真宗本願寺派 子ども・若者ご縁作り推進室
協力
善興寺

※参加費はいずれも1日2,000円、2日間(両日)3,000円(両日昼食付き)

実績

≪スクール・ナーランダ 2017 Vol.1 京都≫

参加者数
述べ115名[4日62人、5日53人]、17都道府県から参加
男女比
4日 62名中 女性41名 男性21名
5日 53名中 女性32名 男性41名
年代
4日 参加者平均年齢 23歳
5日 参加者平均年齢 24歳

≪スクール・ナーランダ 2017 Vol.2 富山≫

参加者数
述べ81名[4日40人、5日41人]、14都道府県から参加
男女比
4日 40名中 女性27名 男性13名
5日 41名中 女性30名 男性11名
年代
4日 参加者平均年齢 24歳
5日 参加者平均年齢 24歳

≪メディア露出≫
87件、広報換算額約3,600万円

≪アンケートより:スクール・ナーランダに参加しての感想≫
・人生観が変わりました。大学4年間で学んだことと同じくらいの学びがあったと思います。社会人ですが、可能であれば運営側にも関わってみたいと思いました。 (京都)
・非常に面白かった。この経験を何らか自分の行動に昇華させたいと思える良い時間になりました。(京都)
・一つの大切な事を、皆で深くほるというより、色々な視点から見ていて相違点を見つけあって、共感し合ってという形が素晴らしいと感動しました。(京都)
・仏教に対して全くといっていいほど興味を持つことなく日々過ごしていたことが、もったいなかったと感じました。今までの自分の考え方とは違う受けとめ方を学ぶことが出来ました。(富山)
・高岡=ものづくりのまちという意識が富山県民でありながら全くありませんでした。このような機会がなければ伝統産業に触れることができなかったと思います。(富山)
・自分を知るひとつのきっかけ、気付き直すヒントにあふれてました。(富山)

メディア

webマガジン「彼岸寺」さんが詳細をレポートしてくださっています。

関連リンク

関連プロジェクト

●第25代専如門主伝灯奉告法要記念 若者を対象とした協賛行事(2017年)
●スクール・ナーランダ(2018年)

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